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依頼状(融資)とは
依頼状(融資)とは、金融機関や取引先企業に対して資金調達を正式に依頼する際に使用する重要なビジネス文書です。企業の資金繰り改善、事業拡大、設備投資等の目的で作成され、融資審査の第一歩となる極めて重要な書類です。
⚠️ 重要な注意点:融資依頼は企業の信用に直結する重要な手続きです。不正確な情報や虚偽の記載は法的問題を招く可能性があります。
融資依頼状の種類と使い分け
1. 金融機関向け(銀行・信用金庫等)
- 特徴:厳格な審査基準、詳細な財務情報が必要
- 適用場面:設備資金、運転資金、創業資金等
- 必要書類:決算書、事業計画書、担保関連書類等
2. 取引先企業向け(商業手形割引・融通手形等)
- 特徴:既存の取引関係を基盤とした融資
- 適用場面:一時的な資金不足、支払いサイトの調整等
- リスク:取引関係への影響を慎重に考慮する必要
3. 政府系金融機関向け(日本政策金融公庫等)
- 特徴:中小企業支援制度の活用
- 適用場面:創業融資、設備近代化、経営改善等
- メリット:低金利、長期返済、手厚い支援制度
書き方の基本ポイント
1. 宛名と日付の記載
- 相手の会社名、役職、担当者名、文書の日付を正確に記載
- 正式な依頼文書としての体裁を整える
- 注意点:金融機関の場合は支店名、部署名まで正確に記載することが重要
2. 冒頭の挨拶と感謝
- 季節の挨拶や、日頃の取引に対する感謝の言葉を述べる
- 相手に対する敬意を示す
- 例:「平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます」
3. 融資依頼の背景と理由の説明
- 資金繰りに困難を生じた具体的な理由を述べる
- 例:大口取引先の倒産、生産力増強のための設備導入等
- 依頼の正当性を伝え、理解を促す
4. 具体的な融資条件の提示
- 融資額、返済期日、利率、担保の有無など具体的な条件を明記
- 条件を明確にすることで、相手が依頼を検討しやすくする
5. 結びの挨拶と署名
- 「誠にぶしつけなお願いで恐縮ではございますが、ご高配を賜りますようお願い申し上げます」
- 依頼者の誠意と感謝の意を表す
- 「敬具」で締め、正式な依頼文書としての体裁を整える
具体的な記入例とパターン
✅ 良い例:具体的で説得力のある依頼理由
弊社は来年度の事業拡大に向け、新工場建設および最新設備導入を
計画しております。総投資額5,000万円のうち、3,000万円につきまして
貴行よりご融資を賜りたく、お願い申し上げます。
【投資効果予測】
・生産能力:現在比150%向上
・売上高:年間2億円増加見込み
・雇用創出:新規採用10名予定
・返済計画:月額500万円、60回払い
❌ 悪い例:曖昧で説得力に欠ける表現
弊社の業績向上のため、資金が必要となりました。
つきましては、ご融資をお願いいたします。
詳細な条件については、ご相談させていただければと思います。
融資目的別の記載例
運転資金の場合
新型コロナウイルス感染症の影響により、売上高が前年同期比30%減少し、
一時的な運転資金不足が生じております。既存取引先からの受注回復が
見込まれるため、向こう6ヶ月間の運転資金として、1,500万円の
ご融資をお願いいたします。
設備投資の場合
競争力強化のため、省エネ型製造設備への更新を計画しております。
設備投資額:3,500万円
期待効果:年間電力費削減500万円、生産効率20%向上
ご融資希望額:2,500万円(7年間元利均等返済)
創業資金の場合
IT関連サービス業として創業いたします。
初期投資:オフィス設備、システム開発費等 総額1,200万円
自己資金:500万円
ご融資希望額:700万円
事業計画:3年目に年商5,000万円達成予定
法的・実務的な留意点
融資契約の法的位置づけ
- 依頼状は法的拘束力を持たない意思表示文書
- 実際の融資には金銭消費貸借契約書の締結が必要
- 依頼状の内容と契約内容の整合性確保が重要
金融商品取引法・貸金業法との関係
- 虚偽記載の禁止:事実と異なる情報の記載は法的責任を問われる可能性
- 資金使途の制限:申告した目的以外への流用は契約違反となる
- 反社会的勢力の排除:暴力団等との関係がある場合は融資対象外
個人保証・担保に関する注意点
- 経営者保証ガイドライン:個人保証に過度に依存しない融資の促進
- 担保評価の適正性:不動産等の担保は適正な評価が必要
- 連帯保証人:責任の範囲と期間を明確化
書類の保管・管理について
- 保管期間:融資完済後5年間は関連書類を保管
- 管理方法:原本は金庫等の安全な場所で保管
- 電子化対応:電子帳簿保存法に準拠したデジタル管理も可能
使用タイミングと注意事項
適切な使用タイミング
- 事業計画が具体化した段階:曖昧な計画では審査通過が困難
- 財務状況が明確になった時点:直近の決算書、試算表準備後
- 資金需要の3ヶ月前:審査期間を考慮した早めの申し込み
- 金融機関との関係が良好な時期:普段からの信頼関係構築が重要
使用を避けるべき状況
- 財務状況が極度に悪化している場合:債務超過、赤字継続等
- 資金使途が不明確な場合:投機的投資、個人的用途等
- 他の金融機関で延滞がある場合:信用情報に問題がある状況
- 事業計画に現実性がない場合:過度に楽観的な収支計画等
よくある失敗例と対策
失敗例1:資金使途の説明不足
問題点:「運転資金として」等の抽象的な表現のみ 対策:具体的な支払い先、金額、時期を明記 改善例:「仕入代金1,000万円(A社への支払い)、人件費500万円(3ヶ月分)」
失敗例2:返済計画の根拠不足
問題点:「必ず返済いたします」等の精神論のみ 対策:具体的なキャッシュフロー計算と根拠を提示 改善例:月間売上2,000万円、営業利益率15%、返済余力300万円/月
失敗例3:担保・保証の検討不足
問題点:担保提供の可否が不明確 対策:事前に担保価値を調査し、提供可能な担保を明示
トラブル防止のためのチェックポイント
送付前の最終確認リスト
- 金融機関名、支店名、担当者名の正確性確認
- 融資希望額、返済期間、金利条件の妥当性検証
- 資金使途の具体性と合理性の確認
- 返済計画の実現可能性の検証
- 添付書類(決算書、事業計画書等)の最新性確認
- 誤字・脱字、計算間違いの最終チェック
- 社内稟議・承認手続きの完了確認
リスク管理のポイント
- 複数の金融機関への同時申し込み:重複申し込みによる印象悪化を避ける
- 情報の一貫性:異なる金融機関への申し込み内容の整合性確保
- 機密情報の保護:財務情報等の取り扱いに注意
まとめ
依頼状(融資)は企業の資金調達において極めて重要な書類です。単なる形式的な依頼文書ではなく、企業の信用力と事業計画を金融機関に伝える戦略的なツールとして活用することが重要です。
正確な情報提供、説得力のある事業計画、現実的な返済計画の提示により、融資成功の確率を大幅に向上させることができます。本テンプレートを基に、自社の状況に応じてカスタマイズし、継続的な金融機関との関係構築に活用してください。
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