依頼状(新規お取引につきまして)の書式テンプレートです。会員登録不要・無料ですぐにテンプレートをダウンロードしてご利用できます。
新規取引依頼状とは
新規取引依頼状は、これまで取引実績のない企業に対して、商品の仕入れ、販売代理店契約、業務提携等の商取引開始を正式に申し入れる文書です。相手企業との信頼関係構築の第一歩となる重要な文書であり、自社の信頼性と取引の正当性を示す役割を担います。
新規取引の基礎知識と法的留意点
商取引の法的枠組み
- 商法:商人間の取引に関する基本法
- 民法:契約の成立と履行に関する規定
- 独占禁止法:公正な競争環境の確保
- 下請代金支払遅延等防止法:下請取引の適正化
信用調査の重要性
新規取引開始前には必ず相手企業の信用調査を実施:
- 企業の財務状況(決算書、信用情報)
- 代表者・役員の経歴と評判
- 既存取引先からの評価
- 業界内での地位・評判
使用タイミングと判断基準
新規取引を申し入れるべきケース
- 事業拡大・新市場開拓時:新たな販路や仕入先が必要
- 既存取引先の代替・リスク分散時:取引先の多角化
- 新商品・新サービス展開時:専門的な取引先が必要
- 地域展開時:各地域での取引先確保
- 技術・ノウハウ提携時:互いの強みを活かした協業
慎重に検討すべきケース
- 競合他社との取引:利益相反や機密情報の問題
- 財務状況が不安定な企業:回収リスクの高い取引
- 業界慣習に反する条件:業界の標準から大きく逸脱
- 法的リスクが高い取引:規制業種との取引
書き方の基本ポイント
1. 宛名と日付の記載
正しい記載例:
令和6年○月○日
株式会社○○○○
代表取締役社長 ○○ ○○ 様
〒000-0000
○○県○○市○○町○-○-○
宛先選定の指針:
- 代表取締役:重要な提携案件、高額取引
- 営業部長:一般的な商品取引、販売代理店契約
- 調達部長:原材料・部品の供給契約
- 企画部長:新事業・技術提携
2. 冒頭の挨拶と感謝
基本的な挨拶例:
拝啓 貴社におかれましてはますますご隆栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
状況別バリエーション:
初回接触の場合:
拝啓 貴社におかれましてはますますご隆栄のこととお慶び申し上げます。
この度は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。
紹介経由の場合:
拝啓 ○○様よりご紹介いただき、この度お手紙を差し上げております。
貴社におかれましてはますますご発展のこととお喜び申し上げます。
展示会等での出会い後:
拝啓 先日は○○展示会におきまして貴重なお時間をいただき、
誠にありがとうございました。
3. 新規取引の申し出と具体的な依頼内容
必須記載事項:
- 自社の業種・事業内容・実績
- 取引を希望する商品・サービス
- 取引開始を希望する理由・背景
- 相手企業を選んだ理由
具体的な記載例:
商品仕入れの場合:
弊社は○○業界で○○年の実績を持つ専門商社で、
年商○億円、全国○○社の販売店様とお取引をいただいております。
この度、貴社が開発されました「○○○○」について、
弊社の販売ネットワークを通じて市場展開のお手伝いをさせていただきたく、
新規お取引をお願い申し上げる次第です。
貴社商品の優れた品質と技術力は業界内でも高く評価されており、
弊社顧客からも強いご要望をいただいております。
販売代理店契約の場合:
弊社は○○地域を中心に○○商品の販売を手がけており、
○○分野では地域シェア○%を占めております。
貴社の○○商品は、弊社の既存商品との相乗効果が期待でき、
お客様により充実したソリューションを提供できると考えております。
4. 条件の提示と検討のお願い
取引条件の明示方法:
【取引条件(案)】
・取引商品:○○○○シリーズ
・想定取引量:月間○○個~○○個
・支払条件:月末締め翌月末払い
・配送条件:○○県内無料配送
・最小ロット:○○個以上
・独占販売権:○○地域内
重要なポイント:
- 具体的な数量・金額を記載
- 支払条件を明確に提示
- 独占・非独占の区別を明記
- 契約期間の提案
5. 結びの挨拶と署名
適切な締めくくり:
つきましては、別紙にて弊社の詳細な取引条件をお送りいたします。
ご検討いただき、お取引の可能性についてお聞かせいただければ幸甚に存じます。
略式ながら、まずは書面にてお願い申し上げます。
敬具
添付資料の案内:
【添付資料】
・弊社会社概要
・主要取引先一覧
・取引条件詳細書
・商品企画書(該当する場合)
業界別のカスタマイズポイント
製造業・メーカー
重要ポイント:
- 生産能力・品質管理体制
- 技術力・開発実績
- 認証取得状況(ISO等)
- 納期対応力
記載例:
弊社は○○分野で○○年の製造実績があり、
ISO9001認証を取得した品質管理体制のもと、
月産○万個の安定供給が可能です。
商社・卸売業
重要ポイント:
- 販売ネットワークの規模
- 物流・配送体制
- 在庫管理能力
- 市場開拓力
記載例:
弊社は全国○○拠点の物流ネットワークを有し、
○○業界の販売店○○社との強固な関係を築いております。
小売業・サービス業
重要ポイント:
- 店舗立地・商圏
- 顧客層・来客数
- 販売実績・売上高
- マーケティング力
記載例:
弊社は○○駅前の好立地に○店舗を展開し、
月間来客数○万人、年商○億円の実績がございます。
よくある失敗例と対策
失敗例1:自社アピールが不足
問題: 「お取引をお願いします」のみで自社の強みが不明 対策: 具体的な実績・強み・相手へのメリットを明示
改善例:
弊社の強み:
・○○業界で○○年の実績(業界シェア○%)
・全国○○拠点の販売ネットワーク
・年間○万個の安定した販売実績
・○○認証取得の品質管理体制
貴社へのメリット:
・新規市場○○地域への進出支援
・既存顧客○○社への販路提供
・マーケティング・販促活動の共同実施
失敗例2:条件が曖昧
問題: 「詳細は後日相談」で具体的な条件が不明 対策: 主要な取引条件を明確に提示
改善例:
【具体的な取引提案】
・月間想定取引額:○○万円~○○万円
・初期発注量:○○個(○万円相当)
・支払条件:月末締め翌月末銀行振込
・配送:弊社指定倉庫への直送
・販売地域:○○県内(独占販売希望)
失敗例3:一方的な依頼
問題: 自社の要望のみで相手のメリットが不明 対策: 相互利益の観点から提案を構築
改善例:
本提携により実現できること:
【貴社にとって】
・新規販路の開拓による売上拡大
・○○地域での市場シェア拡大
・マーケティングコストの削減
【弊社にとって】
・商品ラインナップの充実
・顧客満足度の向上
・競争力の強化
法的・実務的な留意点
契約締結前の注意事項
- 信用調査の実施:相手企業の財務状況・信用情報の確認
- 反社会的勢力の排除:適切なスクリーニングの実施
- 独占禁止法の遵守:不当な取引制限の回避
- 利益相反の確認:既存取引先との関係への配慮
必要な書面・手続き
- 基本契約書:継続的取引の枠組み
- 個別契約書:具体的な取引条件
- 機密保持契約:情報漏洩防止
- 与信設定:取引限度額の設定
リスク管理
- 信用リスク:売掛金回収不能リスク
- 市場リスク:需要変動・価格変動リスク
- 法的リスク:契約違反・法令違反リスク
- 風評リスク:取引先の不祥事による影響
実践的なチェックリスト
送付前の確認事項
- 相手企業の基本情報(社名・住所・代表者)の正確性
- 宛先部署・担当者の適切性
- 自社紹介内容の正確性・適切性
- 取引条件の具体性・現実性
- 添付資料の内容・体裁の確認
- 法的問題・リスクの事前チェック
- 上司・法務部門の承認取得
送付後のフォローアップ
- 1週間後の受領確認
- 2週間後の検討状況確認
- 断られた場合の理由確認と今後の関係維持
- 承諾の場合の詳細条件協議の準備
デジタル化対応のポイント
電子メールでの送付
件名例:
【新規お取引のご提案】○○商品について(株式会社○○)
【業務提携のご相談】○○分野での協業について
【取引開始のお願い】貴社○○商品の販売代理店として
メール本文の構成:
- 簡潔な要約(3行程度)
- 詳細は添付PDFに記載
- 連絡先の明記
- 返信しやすい質問形式
以上のポイントを押さえた依頼状を作成することで、新規取引のお願いが丁寧に伝わり、相手に対する誠意と協力のお願いがしっかりと伝わる文書になります。
テンプレート書式なので必要に応じて文章を変更してご利用ください。
ファイル形式はWord(ワード)です。