依頼状(後任担当者引見)の書式テンプレートです。会員登録不要・無料ですぐにテンプレートをダウンロードしてご利用できます。
書き方の基本ポイント
1. 宛名と日付の記載
- 相手の会社名、部署、担当者名を正確に記載し、文書の日付を明記します
- 長期間お世話になった取引先には、特に丁寧な敬語を使用してください
- 後任者の訪問予定日も併せて記載することを推奨します
2. 冒頭の挨拶と感謝の表現
- 季節の挨拶と日頃の支援への感謝を丁寧に表現します
- 例:「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
- 具体的な協力内容があれば簡潔に言及すると好印象です
3. 担当者変更の背景説明
- 人事異動・転勤・退職等の理由を適切に説明してください
- 変更時期と引き継ぎのタイミングを明確に伝えます
- 今後の取引継続への意欲を示して安心感を与えます
4. 後任者の紹介と人物像
- 後任者の氏名、部署、経歴を具体的に紹介してください
- 仕事への意欲、専門性、人柄の良さを伝えて信頼感を醸成します
- 前任者との共通点や引き継ぎ状況も説明します
5. 引見(面会)の具体的な依頼
- 訪問の目的と希望日程を明確に記載してください
- 相手の都合を最優先にすることを明記します
- 所要時間の目安も伝えて相手の予定調整を支援します
6. 前任者の去就と今後の関係
- 前任者の不在理由(出張・異動等)を説明
- 必要に応じて前任者との連絡方法も案内します
- 後任者が主担当となることを明確に伝えます
7. 結びの挨拶と署名
- 「まずは取り急ぎ、お詫びかたがたご紹介申し上げます」で締めくくります
- 文末は「敬具」で結び、詳細な連絡先を明記してください
必須記載事項チェックリスト
✅ 基本情報
- 宛先(会社名・部署名・担当者名)
- 差出人(会社名・部署名・担当者名・連絡先)
- 文書作成日
- 件名(後任担当者引見依頼であることが明確)
✅ 変更情報
- 担当者変更の理由・背景
- 変更実施時期
- 引き継ぎ状況
- 今後の取引継続意思
✅ 後任者情報
- 後任者の氏名・部署・役職
- 経歴・専門分野
- 人柄・仕事への姿勢
- 連絡先(電話・メール)
✅ 面会依頼
- 訪問希望日程
- 訪問の目的・内容
- 所要時間の目安
- 相手都合への配慮
実際の記入例
効果的な引見依頼文の例
件名:担当者変更に伴う後任者ご紹介のお願い
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、この度の人事異動により、○月○日付で私が○○支店に
転勤することとなりました。
長期間にわたり貴社にはひとかたならぬお世話になり、
心より感謝申し上げます。
つきましては、後任として○○部の△△が担当させていただくことと
なりましたので、ご紹介申し上げます。
【後任者紹介】
氏名:△△ △△
所属:営業部○○課
経歴:入社○年、○○業界での営業経験○年
人柄:誠実で責任感が強く、お客様第一の姿勢で
業務に取り組んでおります
つきましては、○月○日(○)の午後にお時間をいただき、
△△がご挨拶に伺わせていただきたく存じます。
ご都合が悪い場合は、ご都合の良い日程をお聞かせください。
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、
よろしくお願い申し上げます。
避けるべき表現
❌「急な話で申し訳ありません」→ 計画性の欠如を印象づける
❌「新人ですがよろしく」→ 能力への不安を与える
❌「とりあえず挨拶に」→ 軽視している印象
❌「前任者より優秀です」→ 前任者への配慮不足
シーン別カスタマイズガイド
人事異動の場合
重要な追加項目
- 異動の具体的な時期と理由
- 新しい部署での役割
- 引き継ぎの完了状況
- 異動後の連絡可能性
記載例
この度の定期人事異動により、○月○日付で○○部に
異動することとなりました。
貴社担当として○年間お世話になり、
多くのことを学ばせていただきました。
退職の場合
重要な追加項目
- 退職の時期(具体的な最終出社日)
- 後任者への完全な引き継ぎ完了
- 個人的な連絡の可否
- 長期間の協力への感謝
記載例
この度、○月○日をもちまして退職することとなりました。
○年間にわたり貴社には大変お世話になり、
心より感謝申し上げております。
すべての業務は後任の△△に完全に引き継がれており、
継続してご対応させていただけます。
昇進・昇格の場合
重要な追加項目
- 新しい役職・責任範囲
- 今後の関与レベル
- 後任者の選定理由
- 継続的な関係への期待
記載例
この度、○○部長に昇進いたしました。
今後は管理業務が中心となるため、
貴社の日常的なご対応は後任の△△が
担当させていただくこととなりました。
法的・実務的な留意点
情報管理・機密保持
- 顧客情報の適切な引き継ぎを確実に実施してください
- 機密情報の取扱いについて後任者への教育を徹底します
- 個人情報保護法に基づく適切な情報管理を継続します
- 秘密保持契約の内容を後任者に確実に伝達してください
契約・取引の継続性
- 既存契約の担当者変更手続きを適切に実施
- 取引条件の引き継ぎを完全に行ってください
- 支払条件や納期約束の確実な引き継ぎ
- クレーム処理やアフターサービスの継続性確保
業務引き継ぎの法的要件
- 下請法に基づく書面交付義務の継続
- 独占禁止法に関わる取引記録の引き継ぎ
- 労働基準法に基づく適切な引き継ぎ期間の確保
- 会社法に基づく善管注意義務の履行
よくある失敗例と対策
❌ 失敗例1:引き継ぎが不十分で後任者が困惑
✅ 対策:詳細な引き継ぎ書類を作成し、同行訪問期間を設ける
❌ 失敗例2:後任者の紹介が曖昧で信頼感が得られない
✅ 対策:後任者の具体的な経歴と強みを詳しく説明する
❌ 失敗例3:顧客との既存の約束事が引き継がれない
✅ 対策:口約束も含めすべての約束事を文書化して引き継ぐ
❌ 失敗例4:引見のタイミングが不適切で顧客に迷惑
✅ 対策:十分な余裕を持って事前に調整し、複数候補日を提示する
効果的な引き継ぎプロセス
段階的な引き継ぎ手順
- 事前準備期間(2-4週間前)
- 顧客リストの整理と優先順位付け
- 引き継ぎ資料の作成
- 後任者への詳細説明
- 引見依頼期間(1-2週間前)
- 引見依頼状の送付
- 訪問日程の調整
- 同行訪問の準備
- 引見・挨拶期間(引き継ぎ週)
- 同行での顧客訪問
- 詳細な業務説明
- 今後の方針確認
- フォローアップ期間(引き継ぎ後)
- 後任者の状況確認
- 必要に応じた追加サポート
- 顧客からのフィードバック収集
同行訪問時のポイント
- 前任者が主導して後任者を紹介
- 具体的な業務内容を説明
- 顧客の要望・特徴を共有
- 連絡体制の確認
以上のポイントを押さえた依頼状を作成することで、後任担当者の引見のお願いが丁寧に伝わり、相手に対する敬意と協力のお願いがしっかりと伝わる文書になります。
テンプレート書式なので必要に応じて文章を変更してご利用ください。
ファイル形式はWord(ワード)です。