依頼状(取引条件の変更)の書式テンプレートです。会員登録不要・無料ですぐにテンプレートをダウンロードしてご利用できます。
書き方の基本ポイント
1. 宛名と日付の記載
- 相手の会社名、担当者名(経理部長・営業部長等)を正確に記載し、日付を明記します
- 取引条件変更の決裁権限者宛てに送付することが重要です
- 変更実施の希望時期も考慮して、十分な余裕を持った送付時期を設定してください
2. 冒頭の挨拶と感謝の表現
- 季節の挨拶と日頃の取引への深い感謝を表現します
- 例:「拝啓 ○○の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
- 長期取引関係がある場合は、その継続的な協力への感謝も含めてください
3. 変更依頼の背景と必要性の説明
- なぜ条件変更が必要なのかの理由を誠実かつ具体的に説明してください
- 経済環境の変化、事業拡大、システム統合、資金効率化等の合理的な理由を記載
- 一方的な都合ではなく、ビジネス上の必要性があることを明確に示します
4. 現状条件と変更希望内容の明確な対比
- 現在の取引条件と希望する新条件を明確に対比して記載してください
- 支払条件、納期、価格、数量等の具体的な変更内容を詳細に提示します
- 変更実施の希望時期と適用開始日も明確に記載してください
5. 相手にとってのメリット・利益の強調
- 条件変更によって相手が得られる利益があれば積極的に強調してください
- 取引量の増加、長期契約の締結、新商品の優先発注等の具体的なメリットを提示
- Win-Win関係を構築できることを明確に示します
6. 代替案と調整の余地の提示
- 複数の変更案を提示して選択肢を提供します
- 相手の状況に合わせた段階的な変更や部分的な適用も提案してください
- 協議による条件調整への開放性を示します
7. 交渉への発展と今後のプロセス
- 詳細な協議のための打ち合わせを提案してください
- 交渉のスケジュールや進め方についても言及します
- 相手の意見を聞く姿勢を明確に示してください
8. 結びの挨拶と署名
- 「誠に勝手ながらのお願いではございますが、ご理解ならびにご了承を賜りますよう、よろしくお願いいたします」で締めくくります
- 文末は「敬具」で結び、責任者の署名と詳細な連絡先を明記してください
必須記載事項チェックリスト
✅ 基本情報
- 宛先(会社名・部署名・担当者名)
- 差出人(会社名・部署名・担当者名・連絡先)
- 文書作成日
- 件名(取引条件変更依頼であることが明確)
✅ 現状と変更内容
- 現在の取引条件(詳細)
- 希望する新しい条件
- 変更実施の希望時期
- 変更の適用範囲
✅ 理由と背景
- 変更が必要な具体的理由
- ビジネス上の必要性・合理性
- 外部環境の変化への対応
- 相手への配慮事項
✅ 相手のメリット
- 条件変更による相手の利益
- 長期的な取引関係の強化
- 新たなビジネス機会
- 代替的な価値提供
✅ 調整・交渉
- 代替案・選択肢の提示
- 段階的実施の提案
- 協議・交渉の意向
- 今後のプロセス
実際の記入例
効果的な取引条件変更依頼文の例
件名:取引条件変更のご相談について
拝啓 晩秋の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、この度弊社では事業拡大に伴い、
お取引条件を見直させていただきたく、
下記の通りご相談申し上げます。
【変更の背景】
弊社では○○事業の拡大により取引量が大幅に増加し、
より効率的な決済システムの構築が必要となりました。
また、貴社との長期的なパートナーシップをより強固にし、
相互にメリットのある取引関係を築きたいと考えております。
【現在の取引条件】
・支払条件:月末締め翌月20日払い
・決済方法:銀行振込
・取引量:月間○○万円程度
・契約期間:1年更新
【変更希望条件】
・支払条件:月末締め翌々月末払い(60日サイト)
・決済方法:銀行振込(変更なし)
・取引量:月間○○万円に増額(約○%増)
・契約期間:3年契約(長期安定取引)
【貴社にとってのメリット】
1. 取引量○%増加による売上拡大
2. 3年契約による安定的な取引関係
3. 新商品の優先発注権
4. 共同マーケティング活動の実施
【実施時期】
○年○月分のお取引より適用をお願いしたく、
○月○日までにご了承をいただければ幸いです。
なお、貴社のご事情に合わせて段階的な移行や
他の条件での調整も可能でございます。
詳細につきましては、お打ち合わせの機会を
いただければと存じます。
誠に勝手ながらのお願いではございますが、
ご理解ならびにご了承を賜りますよう、
よろしくお願いいたします。
避けるべき表現
❌「こちらの都合で変更したい」→ 一方的な印象
❌「応じてもらえないと困る」→ 威圧的な表現
❌「業界標準なので」→ 説得力に欠ける
❌「他社はすべて応じている」→ 圧迫的な印象
変更理由別カスタマイズガイド
事業拡大による変更の場合
重要な追加項目
- 事業拡大の具体的内容
- 取引量増加の見込み
- 長期的な成長計画
- 相手にとっての事業機会
記載例
弊社では○○事業の急速な成長により、
今期の売上は前年比○%増となる見込みです。
これに伴い貴社とのお取引も大幅に拡大し、
来期は現在の○倍の取引量を見込んでおります。
より効率的な取引体制を構築することで、
相互にメリットのある関係を築きたく存じます。
資金効率化による変更の場合
重要な追加項目
- 資金効率化の目的・効果
- 設備投資・事業投資の計画
- 競争力強化への寄与
- 長期的な安定性の向上
記載例
運転資金の効率化により設備投資を促進し、
製品の品質向上とコスト削減を実現いたします。
これにより貴社にもより競争力のある価格での
商品提供が可能となり、相互の事業発展に
寄与できると確信しております。
システム統合による変更の場合
重要な追加項目
- システム統合の目的・効果
- 業務効率化のメリット
- 処理精度・速度の向上
- 長期的な運用コスト削減
記載例
全社的なシステム統合により、
処理の自動化と精度向上を図っております。
これにより貴社との取引においても、
より迅速で正確な処理が可能となり、
事務負担の軽減にも寄与できると考えております。
法的・実務的な留意点
契約変更の法的側面
- 既存契約の変更には相手の同意が必要です
- 一方的な条件変更は契約違反となる可能性があります
- 合意内容の文書化が重要です
- 変更の有効性を確保するための適切な手続きが必要です
下請法・独占禁止法への配慮
- 優越的地位の濫用に該当しないよう注意が必要です
- 合理的な理由に基づく変更であることが重要です
- 相手の同意を得る適切なプロセスが必要です
- 公正な取引関係の維持を心がけてください
実務上の配慮事項
- システム対応期間の確保が必要です
- 移行期間の設定と段階的実施の検討
- 関連業務への影響の最小化
- 緊急時の対応策の準備
よくある失敗例と対策
❌ 失敗例1:一方的な通知で関係が悪化
✅ 対策:事前の相談と協議による合意形成
❌ 失敗例2:相手のメリットが不明確で理解が得られない
✅ 対策:具体的なメリットと価値提案を明確に提示
❌ 失敗例3:実施時期が急すぎて混乱が発生
✅ 対策:十分な準備期間の確保と段階的実施
❌ 失敗例4:代替案がなく交渉が決裂
✅ 対策:複数の選択肢と柔軟な調整案の準備
以上のポイントを押さえた依頼状を作成することで、取引条件の変更依頼が丁寧に伝わり、相手に対する敬意と協力のお願いがしっかりと伝わる文書になります。
テンプレート書式なので必要に応じて文章を変更してご利用ください。
ファイル形式はWord(ワード)です。
下記から選んでダウンロードしてご利用してください。
- 依頼状(取引条件の変更)01
- 依頼状(取引条件の変更)02