依頼状(代表者様への取材)の書式テンプレートです。会員登録不要・無料ですぐにテンプレートをダウンロードしてご利用できます。
代表者取材依頼状とは
代表者取材依頼状は、企業の代表取締役や経営幹部に対して、インタビュー取材を正式に申し入れる文書です。経営者の貴重な時間をいただく重要な依頼であり、取材の目的・価値・相手へのメリットを明確に示す必要がある特に丁寧な配慮が求められる文書です。
経営者取材の基礎知識
経営者取材の種類と目的
- メディア取材:新聞、雑誌、TV、Webメディアでの情報発信
- 企業広報取材:自社媒体での情報発信、ブランディング
- 学術研究取材:研究論文、ケーススタディの作成
- 業界調査取材:市場動向、業界分析のための情報収集
- 書籍・出版取材:経営書、業界本の執筆素材
経営者が取材を受けるメリット
- 企業ブランディング:経営理念・企業価値の社会への発信
- 採用活動への効果:経営者の人柄・企業文化のアピール
- 事業機会の創出:新たなビジネスパートナーとの出会い
- 業界での地位向上:思想リーダーとしての認知拡大
- 社内のモチベーション向上:従業員の誇り・結束力の強化
使用タイミングと戦略的判断
取材依頼が成功しやすいタイミング
- 決算発表後:好調な業績を背景とした取材
- 新事業・新商品発表時:注目度が高まっている時期
- 業界での受賞・表彰後:社会的評価が高まった時期
- 周年記念・創業記念:企業の節目となるタイミング
- 社会問題への取り組み:CSR活動やSDGs推進時
慎重に検討すべきタイミング
- 業績悪化・問題発生時:ネガティブな印象を与える可能性
- 競合他社の動向が活発な時期:機密情報漏洩のリスク
- 経営者の多忙期:決算期、株主総会前後等
- 組織変更・人事異動時:社内の混乱期
書き方の基本ポイント
1. 宛名と日付の記載
正しい記載例:
令和6年○月○日
株式会社○○○○
代表取締役社長 ○○ ○○ 様
役職に応じた宛先選定:
- 代表取締役社長:企業全体の戦略・方針に関する取材
- 代表取締役会長:創業の経緯・企業理念に関する取材
- 専務・常務取締役:特定事業分野の専門的な取材
- 創業者:起業家精神・創業ストーリーに関する取材
2. 冒頭の挨拶と相手への敬意
基本的な挨拶例:
拝啓 ○○の候、御社におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
取材対象の実績・地位への言及:
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
○○様が○○業界において築かれた確固たる地位と
卓越したリーダーシップには、常々深い敬意を表しております。
企業の社会的貢献への評価:
拝啓 ○○の候、御社ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
御社の○○事業における先進的な取り組みと社会貢献活動は、
業界内外から高く評価されており、深く感銘を受けております。
3. 取材依頼の背景と目的の明確化
媒体・企画の詳細説明:
この度、弊社では○○をテーマとした特別企画を企画しております。
【企画概要】
・媒体名:○○○○(発行部数○万部)
・企画名:「○○業界を牽引する経営者特集」
・掲載予定:○○年○月号(○月○日発売)
・読者層:○○業界関係者、投資家、経営者等
・企画意図:○○業界の現状と将来性について、
第一線で活躍される経営者の視点から分析
○○様におかれましては、○○業界のパイオニアとして
豊富なご経験とご見識をお持ちであり、
ぜひお話を伺わせていただきたく存じます。
社会的意義・価値の訴求:
【本取材の社会的意義】
・○○業界の健全な発展への貢献
・若手経営者・起業家への示唆提供
・投資家・ステークホルダーへの適切な情報提供
・社会全体の○○への理解促進
・業界の課題解決に向けた議論の活性化
○○様の卓越したご経験とご見識を通じて、
多くの方々に有益な情報をお届けできると確信しております。
4. 具体的な取材内容と質問項目
取材テーマの詳細提示:
【取材予定テーマ】
1. 経営理念と企業ビジョンについて
・○○様の経営哲学
・企業理念の社内浸透施策
・将来の企業ビジョン
2. 業界の現状認識と将来展望
・○○業界の課題と機会
・デジタル変革への対応
・グローバル展開戦略
3. リーダーシップと人材育成
・組織マネジメントの考え方
・次世代リーダー育成方針
・企業文化の形成・継承
4. 社会的責任と持続可能経営
・SDGsへの取り組み
・地域社会との関わり
・ステークホルダーとの関係
5. 今後の成長戦略
・新規事業展開の方向性
・イノベーション創出の仕組み
・競争優位の源泉
事前質問項目の提示:
【事前にお送りする質問項目(抜粋)】
・○○業界の10年後をどのように予想されますか?
・経営者として最も重視している価値観は何ですか?
・困難を乗り越える際の判断基準をお聞かせください
・若手経営者に伝えたいメッセージはありますか?
・御社の競争優位性はどこにあるとお考えですか?
※詳細な質問項目は事前にお送りし、
ご都合の悪い内容については調整いたします
5. 取材条件と実施方法
取材の詳細条件:
【取材詳細】
・取材時間:60分程度を予定
・取材場所:御社会議室または弊社指定場所
・取材方法:対面インタビュー(オンライン対応も可能)
・同席者:弊社記者1名、カメラマン1名(写真撮影希望の場合)
・記録方法:録音(許可をいただいた場合のみ)
【取材日程候補】
第1希望:○月○日(○)○時~○時
第2希望:○月○日(○)○時~○時
第3希望:○月○日(○)○時~○時
上記以外でも○月中で○○様のご都合の良い
日時がございましたらお聞かせください。
記事化プロセスの説明:
【記事化プロセス】
1. 取材実施
2. 記事原稿作成(取材後1週間以内)
3. 原稿確認・校正(○○様にご確認いただきます)
4. 最終調整・修正対応
5. 掲載・配信
【記事の取扱い】
・記事内容は事前に必ずご確認いただきます
・ご指摘事項については誠実に対応いたします
・写真は肖像権に配慮し、事前承認を得て使用
・掲載後の記事は○○様にもお送りいたします
6. 相手へのメリットと配慮事項
具体的なメリットの提示:
【○○様・御社へのメリット】
・○○万人の読者層への企業ブランド発信
・優秀な人材からの注目・採用活動への効果
・投資家・金融機関からの評価向上
・業界内でのプレゼンス向上
・取引先・パートナー企業との関係強化
・社員のモチベーション・エンゲージメント向上
【配慮事項】
・機密情報・企業秘密の保護を最優先
・競合他社に関する質問は事前調整
・個人的な質問は必要最小限に留める
・撮影は○○様のご都合に完全に合わせます
・記事化において御社のブランドイメージを最重視
7. 同封資料と信頼性の証明
充実した資料提供:
【同封資料】
・弊社媒体概要(発行部数、読者層、影響力等)
・過去の経営者インタビュー実績(○○社社長等)
・企画提案書(詳細版)
・質問項目一覧(予定)
・弊社会社概要・記者プロフィール
・過去の取材記事サンプル
・個人情報保護・機密保持に関する誓約書
【信頼性の証明】
・○○業界で○○年の取材実績
・上場企業○○社の経営者取材経験
・業界団体からの推薦・後援実績
・報道倫理・取材ガイドラインの遵守
8. 結びの挨拶と次のアクション
適切な締めくくり:
○○様の貴重なお時間をいただくことは重々承知しており、
最大限効率的で有意義な取材とさせていただくことをお約束いたします。
つきましては、同封資料をご査収いただき、
ご検討賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
お忙しいところ大変恐縮ではございますが、
ご検討の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
具体的な今後の流れ:
【今後の予定】
・○日以内に担当秘書様または○○様に確認のお電話
・ご承諾いただけた場合:詳細な日程・内容調整
・事前質問項目の送付(取材1週間前)
・当日の進行・撮影の最終確認
【緊急連絡先】
担当記者:○○ ○○
携帯電話:○○○-○○○○-○○○○
Email:○○○○@company.co.jp
業界・媒体別のカスタマイズ戦略
専門誌・業界メディア
重要訴求ポイント:
- 業界専門性・権威性
- 読者層の関連性
- 業界発展への貢献
- 専門的な議論の深度
記載例:
○○業界専門誌として○○年の実績を重ね、
業界関係者○万人に愛読されております。
○○様の専門的ご見識を業界の発展に活かしていただければと存じます。
一般メディア・大手媒体
重要訴求ポイント:
- 媒体の影響力・リーチ
- 社会的なインパクト
- ブランド価値向上効果
- 多様なステークホルダーへの訴求
記載例:
発行部数○○万部、月間読者数○○万人の影響力を持つ
弊誌において、○○様のお考えを社会に発信していただくことで、
大きな社会的インパクトが期待できます。
Web・デジタルメディア
重要訴求ポイント:
- デジタル時代の情報発信力
- 若年層へのリーチ
- SNS拡散効果
- 検索エンジンでの露出
記載例:
月間PV○○万、SNSフォロワー○万人を持つ
デジタルプラットフォームにより、
特に○○世代の経営者・起業家への影響力が期待できます。
よくある失敗例と対策
失敗例1:取材の価値・意義が不明確
問題: 「インタビューさせてください」程度の曖昧な依頼 対策: 社会的意義・相手へのメリットを具体的に明示
改善例:
【従来型】インタビューをお願いします
【改善型】○○業界の健全な発展と若手経営者への示唆提供を目的とし、
○○万人の読者に○○様のご見識をお届けしたく存じます
失敗例2:相手の負担への配慮不足
問題: 自社都合の一方的な日程・条件の提示 対策: 最大限の柔軟性と効率性への配慮を明示
改善例:
【従来型】○月○日に2時間の取材をお願いします
【改善型】○○様のご都合を最優先に日程調整し、
効率的な進行により60分以内での実施を心がけます
失敗例3:信頼性・実績の証明不足
問題: 媒体の影響力や過去実績の説明不足 対策: 客観的データと信頼できる実績の詳細提示
改善例:
【従来型】弊社は信頼できるメディアです
【改善型】上場企業○○社の経営者取材実績○件、
業界団体○○からの後援・推薦を受けており、
報道倫理を厳格に遵守いたします
法的・倫理的な留意点
報道倫理・取材ガイドライン
- 事実の正確性確保:情報の裏付け・確認の徹底
- プライバシーの保護:個人情報・私生活への配慮
- 公正・中立性の維持:偏見のない客観的な報道
- 取材対象者の人格尊重:尊厳を損なう質問・表現の回避
肖像権・著作権の適切な処理
- 肖像権の事前確認:写真・動画使用の明確な許可取得
- 著作物の引用ルール:適正な引用範囲と出典明記
- 二次利用の条件:記事・写真の転載・再利用の取扱い
- 保存期間と廃棄:取材データの適切な管理・処分
実践的なチェックリスト
送付前の確認事項
- 取材対象者の最新の役職・経歴の確認
- 媒体・企画の社会的意義の明確化
- 相手へのメリット・価値の具体化
- 取材条件の現実性・柔軟性の確保
- 同封資料の充実度・信頼性の確認
- 法的・倫理的問題のクリア
- 社内承認・法務チェックの完了
取材実施時の注意点
- 事前質問項目の最終確認
- 録音・撮影許可の再確認
- 時間管理の徹底(予定時間の厳守)
- 機密情報への適切な配慮
- 記事化プロセスの再説明
- 次のステップの明確化
デジタル時代の取材戦略
オンライン取材の活用
- Web会議システム:地理的制約を超えた取材実施
- 高品質配信:4K画質での映像取材
- 同時録画・編集:効率的な記事・動画制作
- リアルタイム配信:ライブインタビューの実施
マルチメディア展開
- 動画コンテンツ:インタビュー動画のYouTube配信
- ポッドキャスト:音声コンテンツとしての展開
- インタラクティブ記事:Web上での双方向コンテンツ
- SNS連動:複数プラットフォームでの同時展開
以上のポイントを押さえた依頼状を作成することで、代表者への取材のお願いが丁寧に伝わり、相手に対する敬意と協力の依頼がしっかりと伝わる文書になります。
テンプレート書式なので必要に応じて文章を変更してご利用ください。
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