お客様や取引先に対して、注文品の数量不足について謝罪の意を表す重要なビジネス文書です。適切な対応により信頼関係の維持・回復を図ることができます。会員登録不要・無料ですぐにテンプレートをダウンロードしてご利用できます。
書き方の基本ポイント
必須記載事項
- 発生日時と発見日時:いつミスが発生し、いつ発見されたかを明確に記載
- 不足数量の詳細:商品名、型番、注文数量、実際の納品数量、不足数量を具体的に記載
- 対応策と納期:不足分の手配状況と具体的な納品予定日
- 原因と再発防止策:可能な範囲での原因説明と今後の対策
文書の目的に応じた表現
- 謝罪の誠意を示す:形式的でない、心からの謝罪表現を使用
- 迅速な対応姿勢:問題解決への積極的な取り組みを強調
- 信頼回復への意志:長期的な取引関係を重視する姿勢を表現
敬語・謙譲語の正しい使い方
- 「お届けいたしました」→「お納めいたしました」(より丁寧)
- 「申し訳ございません」→「深くお詫び申し上げます」(より謙譲的)
- 「お忙しい中」→「ご多忙中にも関わらず」(より配慮を示す)
具体的な記入例
良い例(製造業向け)
件名:【緊急】部品納品数量不足に関するお詫びとご報告
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、本日(○月○日)お納めいたしました下記部品について、
数量に不足がございましたことが判明いたしました。
【不足詳細】
・商品名:ステンレスボルト M8×30
・ご注文数量:1,000本
・実際納品数量:850本
・不足数量:150本
・発見日時:○月○日 15:30(貴社検収時)
【対応状況】
不足分150本につきましては、本日中に出荷手配を完了し、
明日(○月○日)午前中にはお手元にお届けする予定でございます。
悪い例
部品の数量が足りませんでした。申し訳ありません。
足りない分はすぐに送ります。
業界別バリエーション
小売業向け
- 商品の品番、サイズ、色などの詳細仕様を明記
- 店舗での販売機会損失への配慮を表現
- 代替商品の提案も検討
建設業向け
- 工期への影響を最小限に抑える対応策を提示
- 現場での作業停止リスクへの言及
- 緊急配送手配の具体的な手順を説明
法的・実務的な留意点
法的効力と要件
- お詫び状は法的な責任を認める文書となる可能性があります
- 過度な責任を認める表現は避け、事実に基づいた記載に留める
- 損害賠償に関する具体的な言及は法務部門と相談後に行う
保管期間と管理方法
- 保管期間:契約関連書類として最低5年間保管
- 管理方法:原本は契約ファイル、コピーは営業担当者が保管
- アクセス制限:機密情報を含むため、関係者のみアクセス可能
関連法規への準拠
- 下請代金支払遅延等防止法(下請法)での納期遅延の扱い
- 製造物責任法(PL法)における品質・数量責任
- 商法上の売買契約における債務不履行の位置づけ
使用タイミングと注意事項
発送すべきタイミング
✅ 即座に発送
- 数量不足が発覚した当日中
- 相手方の業務に支障をきたす可能性がある場合
- 相手方から指摘を受けた場合
⚠️ 慎重に検討が必要
- 不足原因が相手方にある可能性がある場合
- 契約条件に免責事項が含まれる場合
- 複数回の類似トラブルが発生している場合
トラブル防止のチェックポイント
- 事実確認の徹底:数量不足の原因と責任の所在を明確にする
- 社内承認:営業責任者、品質管理責任者の承認を得る
- 記録の保全:出荷記録、検収記録、連絡記録を整理
- 相手方への事前連絡:文書送付前に電話で状況を説明
よくある失敗例と対策
失敗例1:謝罪が不十分で相手の不信を招く → 対策:具体的な迷惑内容を認識し、心からの謝罪を表現
失敗例2:曖昧な納期回答で信頼を失う → 対策:確実に履行できる納期のみを約束
失敗例3:原因説明が言い訳に聞こえる → 対策:原因説明は簡潔に、再発防止策に重点を置く
カスタマイズのヒント
業種別調整ポイント
製造業
- 生産ラインへの影響を考慮した緊急度の表現
- 品質管理体制の見直しに関する言及
- JIT(ジャストインタイム)への配慮
商社・卸売業
- 川下への影響を最小化する代替案の提示
- 在庫管理システムの改善への言及
- 複数仕入先との調整状況の報告
社内ルール対応
- 決裁権限:金額規模に応じた承認ルートの確認
- 情報共有:関係部署への情報共有範囲の設定
- 記録管理:社内システムでの管理方法の統一
デジタル化対応の注意点
- 電子署名:PDF形式での送付時の電子署名の必要性
- 送信確認:メール送付時の開封確認設定
- バックアップ:クラウドストレージでの自動保存設定
チェックリスト
送付前の最終確認
□ 数量・商品名・日付の正確性確認
□ 社内承認者のサイン・印鑑確認
□ 相手方の正式な会社名・部署名・役職確認
□ 添付書類の有無と内容確認
□ 文体・敬語の統一確認
□ 再発防止策の具体性確認
□ 連絡先情報の正確性確認
送付後のフォロー
□ 48時間以内の受領確認
□ 不足分商品の出荷状況確認
□ 相手方からの追加要望への対応準備
□ 社内関係者への状況共有
□ 改善計画の実行状況確認
テンプレート書式なので必要に応じて文章を変更してご利用ください。ファイル形式はWord(ワード)です。下記からダウンロードしてご利用ください。
重要な注意事項:このお詫び状は迅速な信頼回復のための第一歩です。文書送付と並行して、電話での直接謝罪や、必要に応じて訪問での謝罪も検討してください。また、同様のトラブルが再発した場合、より深刻な信頼失墜につながる可能性があるため、根本的な業務改善も同時に進めることが重要です。