お客様や取引先に対して商品・サービスの価格改定を案内するための重要なビジネス文書です。価格改定は顧客の購買行動や取引関係に直接影響する重要な変更であるため、十分な理由説明と適切な事前通知により、顧客の理解と継続的な取引関係の維持を図ることが重要です。会員登録不要・無料ですぐにテンプレートをダウンロードしてご利用できます。
あなたの価格改定はどのタイプ?
価格改定は顧客属性・取引形態により、通知方法や経過措置が異なります。
- B2B(取引先向け):契約更新・価格交渉が必要なケース → 本テンプレートで対応
- B2C(一般消費者向け):店頭・EC・サブスク → 消費者保護法制に注意
- 一部品目のみ改定:対象商品の明確化・代替品の案内が重要
- 送料・手数料の改定:本体価格との総額表示に注意
※ 本テンプレートはB2B向けの正式な価格改定通知を想定しています
書き方の基本ポイント
必須記載事項の体系化
価格改定の基本情報
- 改定対象:改定する商品・サービスの具体的範囲
- 改定理由:客観的で納得できる改定の必要性
- 改定内容:新旧価格の明確な比較・改定率
- 適用時期:改定開始日・経過措置・猶予期間
顧客への配慮・影響
- 事前通知期間:十分な準備・検討期間の提供
- 経過措置:既存契約・注文への配慮
- 代替案・選択肢:価格以外の価値提案
- サポート体制:相談・問い合わせへの対応
改定の正当性・透明性
- 市場環境の説明:業界全体の動向・外部要因
- コスト構造の変化:具体的なコスト増要因
- 企業努力の説明:自助努力・効率化の取り組み
- 将来への投資:品質向上・サービス拡充への活用
経過措置の確認(揉めやすいポイント)
価格改定で最もトラブルになるのは「いつから・誰に適用されるか」です。以下を明確に定めてください:
| 対象 | 確認事項 |
|---|---|
| 既存契約 | 旧価格適用の期限(例:○月○日納品分まで) |
| 発注済み | 旧価格の扱い(発注日基準 or 納品日基準) |
| 見積提示済 | 見積有効期限と再見積の要否 |
| サブスク/継続契約 | 次回更新日、改定適用タイミング、解約導線 |
改定理由別の説明アプローチ
原材料・資源価格上昇
- 「世界的な資源価格高騰により」
- 「原油価格の急激な上昇に伴い」
- 「希少金属の調達コスト増加により」
- 「為替変動による輸入コスト増」
人件費・労務費上昇
- 「人材確保・処遇改善のため」
- 「働き方改革・労働環境向上により」
- 「専門技術者の確保・育成費用増」
- 「最低賃金改定・社会保険料増」
技術・設備投資
- 「最新技術導入による品質向上のため」
- 「環境対策・省エネ設備への投資」
- 「セキュリティ・安全対策強化」
- 「DX推進・システム刷新投資」
法規制・制度変更対応
- 「新法施行に伴う対応コスト」
- 「環境規制強化への対応費用」
- 「品質基準・安全基準の厳格化」
- 「税制改正・消費税率変更」
理由説明の定型フレーム(4〜6行で十分)
長い説明は逆効果です。以下の4要素を簡潔にまとめてください:
- 背景(外部要因):原材料/物流/人件費など、客観的な事実
- 自助努力:どこを吸収したか(コスト削減・効率化の取り組み)
- 改定内容:何が・いつから・どれだけ変わるか
- 提供価値:品質/供給安定/サポート維持へのコミットメント
改定幅・影響度別の表現調整
軽微な改定(5%未満)
- 「わずかな改定となりますが」
- 「最小限の調整をお願いいたします」
- 「ご理解いただければ幸いです」
- 「引き続きお得にご利用いただけます」
中程度の改定(5-15%)
- 「やむを得ない改定をお願いいたします」
- 「ご負担をおかけし申し訳ございません」
- 「十分な検討期間を設けております」
- 「価値向上によりご満足いただけるよう」
大幅な改定(15%以上)
- 「重大な決断として改定させていただきます」
- 「多大なるご負担をおかけし深くお詫び申し上げます」
- 「十分な事前通知と説明をさせていただきます」
- 「品質・サービスの大幅向上を実現いたします」
価格表(新旧対比)テンプレート
以下の表をコピーして、自社の価格表に活用してください:
| 商品/プラン名 | 旧価格(税別) | 新価格(税別) | 改定率 | 適用開始日 | 備考(経過措置) |
|---|---|---|---|---|---|
| ○○製品A | ¥10,000 | ¥11,000 | +10% | 2025年4月1日 | 3月末発注分は旧価格 |
| △△サービスB | ¥50,000/月 | ¥55,000/月 | +10% | 次回更新日 | 既存契約は更新時適用 |
※ 取引条件(最低ロット、送料、支払条件)が変わる場合も別途明記してください
価格表・見積・請求を一括更新したい方へ
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具体的な記入例
良い例(原材料価格上昇による改定)
令和7年8月15日
お客様各位
株式会社○○○○
代表取締役社長 田中太郎
商品価格改定のお知らせ
拝啓 晩夏の候、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび弊社製品の価格改定をさせていただくこととなりました。
誠に不本意ではございますが、下記の事情によりやむを得ず
価格の見直しを行わせていただきますので、
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
【価格改定の背景・理由】
近年、主要原材料(鉄鋼・非鉄金属)が約40%上昇、
エネルギーコストも約25%増加しております。
生産効率化・調達最適化により年間1.5億円のコスト削減を
実施してまいりましたが、吸収しきれない状況となりました。
【価格改定の詳細】
■改定対象製品
・○○シリーズ全製品(型番○○-001~○○-999)
■改定内容
・平均改定率:8.5%(製品により6~12%)
・改定後価格:別紙価格表をご参照ください
■適用開始日
・令和7年11月1日(金)出荷分より適用
・10月31日以前のご注文は現行価格適用
■経過措置
・年間契約のお客様:契約更新時まで現行価格維持
・定期購入のお客様:3ヶ月間の経過措置
・見積提出済み:有効期限内は旧価格適用
【お客様へのお約束】
価格改定後も、品質・納期・サポート体制の維持向上に
全力で取り組んでまいります。
ご不明な点がございましたら、下記までお問い合わせください。
敬具
【お問い合わせ先】
株式会社○○○○ 営業部
TEL:03-1234-5678
Email:sales@company.co.jp
悪い例
価格を上げます。
原材料が高くなったためです。
来月から新価格です。
よろしくお願いします。
改定理由別の記入例
人件費上昇による改定
【改定の背景】
優秀な人材の確保・定着および働き方改革の推進により、
人件費が過去3年間で約25%上昇いたしました。
また、技術の高度化に対応するため、専門技術者の
採用・育成費用も大幅に増加しております。
お客様により質の高いサービスを提供するための
必要な投資として、ご理解いただければと存じます。
設備投資・技術革新による改定
【改定の目的】
最新の AI・IoT 技術を導入し、製品の品質向上と
お客様サービスの充実を図るため、
総額50億円の設備投資を実施いたします。
この投資により、従来比30%の品質向上と
50%の納期短縮を実現し、お客様価値の
大幅な向上をお約束いたします。
環境対応・規制対応による改定
【規制対応の必要性】
環境規制の強化により、新たな環境対応設備の導入と
製造プロセスの変更が義務付けられました。
持続可能な事業運営と地球環境保護への責任として、
必要な投資を行い、環境負荷を50%削減する
製品・サービスを提供してまいります。
法的・実務的な留意点
実務の地雷チェックリスト
【B2B向け】価格交渉・説明責任の観点
- ☐ 価格交渉の機会を設けたか
- ☐ 書面・メールで根拠を残しているか
- ☐ 一方的な据置き・不利益取扱いになっていないか(優越的地位の濫用)
- ☐ 下請法対象の場合、適正な価格転嫁になっているか
【B2C向け】表示・通知の観点
- ☐ 旧/新価格・適用日を分かりやすく提示できているか
- ☐ サブスクの場合、解約方法を明示しているか
- ☐ 景品表示法上、誤解を招く表現がないか
※ 法律の断定ではなく「確認観点の提示」です。重要な契約は専門家にご相談ください
契約法・独占禁止法との関係
既存契約への影響
- 契約期間中の価格変更条項の確認
- 価格改定通知期間の契約上の規定
- 一方的な価格変更の法的制限
- 消費者契約法による制限事項
独占禁止法への配慮
- 同業他社との価格協調の回避
- 市場支配力の濫用行為の禁止
- 不当な価格設定・差別的価格の禁止
- 公正競争阻害行為の防止
下請法への対応
- 下請代金の減額禁止
- 不当な買いたたき行為の禁止
- 下請業者への適切な価格転嫁
- 協議・合意に基づく価格決定
消費者保護法制への対応
消費者契約法の規制
- 不当な契約条項の無効
- 適切な情報提供義務
- 消費者の利益を不当に害する条項の禁止
- 事業者の説明義務・配慮義務
景品表示法への配慮
- 価格表示の適正性・明確性
- 比較対象の明確化
- 誤解を招く表現の回避
- 「値上げ」に伴う不当表示の防止
特定商取引法等の関連規制
- 継続的サービス提供契約の価格変更
- 通信販売における価格表示
- 訪問販売・電話勧誘販売での価格説明
- クーリングオフ権への影響
使用タイミングと注意事項
適切な事前通知期間
契約・取引形態別の通知期間
- 年間契約・長期契約:6ヶ月-1年前
- 継続的取引:3-6ヶ月前
- スポット取引:1-3ヶ月前
- 消費者向けサービス:1-2ヶ月前
業界・商品特性による調整
- 基幹設備・システム:長期間(6ヶ月以上)
- 日用品・消耗品:中期間(2-3ヶ月)
- 嗜好品・選択的商品:短期間(1ヶ月程度)
- 緊急性の高い改定:最短期間(2週間程度)
市場環境・競合状況の考慮
市場動向の分析
- 業界全体の価格動向・改定状況
- 競合他社の価格改定タイミング
- 顧客の価格受容性・市場反応
- 経済情勢・景気動向の影響
戦略的タイミングの選択
- 決算期・予算編成時期との関係
- 繁忙期・閑散期の影響考慮
- 新製品発売・キャンペーンとの連動
- 業界イベント・展示会等の活用
よくある失敗例と対策
失敗例1:改定理由の説明が不十分で顧客の理解を得られない
- 問題:「諸般の事情により」等の曖昧な説明
- 改善:具体的で客観的な理由の詳細説明
- 対策:データ・資料による裏付けの提供
失敗例2:改定幅が大きすぎて顧客離れが発生
- 問題:一度に大幅な価格改定を実施
- 改善:段階的な改定・激変緩和措置の導入
- 対策:顧客への影響度分析と個別対応
失敗例3:競合他社より先に改定して競争力を失う
- 問題:市場動向・競合状況の分析不足
- 改善:業界動向の詳細分析と戦略的判断
- 対策:差別化価値・付加価値の明確化
失敗例4:既存契約への配慮不足で法的トラブル発生
- 問題:契約条項の確認不足・一方的な変更
- 改善:契約条項の詳細確認と適切な手続き
- 対策:法務担当者・弁護士との事前相談
よくある質問(FAQ)
Q1: 価格改定の事前通知期間はどの程度が適切か?
A1: 一般的には1-3ヶ月前が標準的ですが、契約内容・商品特性・顧客属性により調整が必要です。重要な取引先や長期契約では6ヶ月前からの段階的通知が望ましい場合もあります。
Q2: 既存契約期間中の価格改定は可能か?
A2: 契約に価格改定条項がある場合は可能ですが、ない場合は原則として契約期間中の一方的な価格変更はできません。事前の合意・協議が必要です。
Q3: 競合他社が改定していない中での価格改定は適切か?
A3: 独占禁止法に抵触しない限り、自社の判断で価格改定は可能です。ただし、差別化価値・付加価値を明確にし、顧客の理解を得ることが重要です。
Q4: 大幅な価格改定で顧客離れが心配な場合の対策は?
A4: 段階的改定、激変緩和措置、代替価値の提供、個別条件の設定等により影響を最小化してください。重要顧客には個別説明・相談を実施することをお勧めします。
Q5: 消費者向けサービスの価格改定で注意すべき点は?
A5: 消費者契約法・景品表示法等の消費者保護法制を遵守し、分かりやすい説明、十分な事前通知、不当な条項の排除に注意してください。
Q6: 下請業者への価格改定要請への対応は?
A6: 下請法により、一方的な下請代金の減額は禁止されています。適正な価格転嫁・協議に基づく価格決定を行い、下請業者との公正な取引を確保してください。
テンプレート書式なので必要に応じて文章を変更してご利用ください。ファイル形式はWord(ワード)です。
重要な注意事項:価格改定は顧客の購買決定や事業計画に重大な影響を与える重要な変更です。十分な事前通知、客観的で説得力のある理由説明、顧客への配慮と代替価値の提供、法的要件の遵守が不可欠です。また、価格改定を単なるコスト転嫁ではなく、価値向上・サービス改善の機会として活用し、長期的な顧客関係の強化につなげる戦略的な取り組みが重要です。
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