委任状の書式テンプレートです。会員登録不要・無料ですぐにテンプレートをダウンロードしてご利用できます。
委任状とは
委任状は、本来自分自身で行う一定事項の手続きを第三者に委任したことを記載する文書です。法的に代理権を付与する重要な書類であり、行政手続き、契約行為、各種申請など、幅広い場面で使用されます。
委任状の法的意義
- 民法第99条(代理行為の要件)に基づく代理権授与の証明
- 委任者の意思表示を明確に示す法的文書
- 代理人の権限範囲を第三者に対して明示する効力
委任状の基本構成要素
必須記載事項の詳細
1. 委任者(本人)の情報
個人の場合
- 氏名(戸籍上の正式名称)
- 住所(住民票記載の現住所)
- 生年月日
- 電話番号(平日日中連絡可能番号)
- 署名・押印(重要な手続きでは実印推奨)
法人の場合
- 商号または名称(登記簿記載の正式名称)
- 本店所在地
- 法人番号
- 代表者の氏名・役職
- 代表者印(法務局届出印必須)
2. 代理人の情報
必須情報
- 氏名(本人確認書類と同一表記)
- 住所
- 生年月日
- 委任者との続柄・関係
- 連絡先電話番号
専門家の場合
- 資格名・登録番号(弁護士、司法書士、税理士等)
- 事務所所在地
- 所属会(○○弁護士会、○○司法書士会等)
3. 委任事項の明確化
具体性の原則
- 委任する権限の範囲を明確に記載
- 「一切の件」等の包括的表現は避け、具体的に列挙
- 権限の制限がある場合は明記
記載例
■委任事項
1. ○○に関する申請書の作成・提出
2. ○○に関する証明書の受領
3. 申請内容の補正・修正
4. その他上記に付随する事項
4. 形式要件
日付関係
- 委任年月日(委任状を作成した日)
- 有効期限(必要に応じて)
- 委任事項の対象期間
署名・押印
- 委任者の自署(代筆は原則不可)
- 押印(認印可、重要手続きでは実印)
- 印鑑証明書(求められる場合)
用途別委任状の作成ポイント
行政手続き用委任状
特徴
- 法令に基づく厳格な要件
- 本人確認の重要性が高い
- 期限・有効期間の制限
主な用途
- 住民票・戸籍謄本等の取得
- 各種許認可申請
- 税務関係手続き
- 社会保険・年金手続き
注意点
- 行政機関により様式・要件が異なる
- 代理人の資格制限がある場合
- 本人確認書類の厳格な要求
民間取引用委任状
特徴
- 契約自由の原則により柔軟な設定可能
- 当事者間の合意が重視
- 経済的利益に関わる場合が多い
主な用途
- 不動産売買・賃貸契約
- 金融機関での手続き
- 保険契約・請求手続き
- 各種契約の締結・解除
注意点
- 高額取引では特に慎重な権限設定
- 利益相反の可能性への配慮
- 契約相手方の委任状確認
訴訟・法務手続き用委任状
特徴
- 弁護士法・司法書士法等の制約
- 専門資格者への委任が原則
- 厳格な様式・手続き要件
主な用途
- 民事訴訟の代理
- 登記申請手続き
- 債務整理・破産手続き
- 相続・遺言関係手続き
実践的な記入例
【良い例】住民票取得用委任状
委任状
○○市長 殿
私は、下記の者を代理人と定め、住民票の写しの交付申請に
関する権限を委任いたします。
■委任事項
1. 住民票の写し(世帯一部)2通の交付申請
2. 本籍・筆頭者記載有り、その他省略
3. 上記申請書の作成・提出・受領
4. その他上記に付随する事項
■使用目的
パスポート申請のため
■委任者
住所:東京都○○区○○町1-2-3-101
氏名:山田 太郎
生年月日:昭和55年4月1日
電話番号:03-1234-5678
■代理人
住所:東京都○○区○○町1-2-3-101
氏名:山田 花子
生年月日:昭和58年6月15日
本人との続柄:妻
電話番号:03-1234-5678
委任年月日:令和6年7月24日
委任者 山田太郎 ㊞
【良い例】不動産取引用委任状
委任状
私は、下記の者を代理人と定め、不動産売買契約に関する
権限を委任いたします。
■委任事項
1. 下記不動産の売買契約の締結
2. 売買代金の受領
3. 所有権移転登記手続きの依頼
4. 鍵・関係書類の引渡し
5. その他上記に関連する一切の事項
■対象不動産
所在:東京都新宿区○○町○丁目○番○号
地目:宅地 地積:120.00㎡
建物:木造2階建住宅 床面積:80.00㎡
■売買条件
売買代金:金5,000万円
契約日:令和6年8月15日(予定)
決済日:令和6年9月15日(予定)
■委任者
住所:東京都新宿区○○町1-2-3
氏名:佐藤 一郎
生年月日:昭和45年3月10日
■代理人
住所:東京都港区○○町4-5-6
氏名:田中 次郎
資格:宅地建物取引士(東京都知事免許(1)第123456号)
電話番号:03-9876-5432
委任年月日:令和6年7月24日
委任者 佐藤一郎 ㊞
【悪い例】不備の多い委任状
委任状
何でもお任せします。
山田太郎 ㊞
令和6年7月24日
悪い例の問題点
- 代理人が特定されていない
- 委任事項が曖昧で範囲不明
- 委任者の詳細情報が不足
- 対象となる手続きが不明
- 権限の制限・条件が不明
代理人の選定基準と注意事項
適切な代理人の条件
法的要件
一般的要件
- 成年者(18歳以上)
- 行為能力を有する者
- 委任者との利益相反がない者
手続き別の制限
- 士業独占業務:有資格者のみ
- 家族限定手続き:親族のみ
- 本人確認厳格手続き:信頼関係のある者
実務的考慮事項
信頼性
- 委任者との信頼関係
- 過去の実績・経験
- 責任感・誠実性
実行能力
- 手続きに必要な知識・経験
- 時間的余裕
- 地理的アクセス
守秘義務
- 個人情報の適切な取扱い
- 業務上知り得た情報の保護
- 第三者への情報漏洩防止
代理人の種類別特徴
家族・親族
メリット
- 高い信頼関係
- 費用負担なし
- 迅速な対応可能
デメリット
- 専門知識の不足
- 利益相反の可能性
- 責任の曖昧さ
専門家(士業)
メリット
- 高度な専門知識
- 法的責任の明確化
- 職業倫理による保護
デメリット
- 費用負担
- 手続きの形式性
- アクセスの制限
一般の第三者
メリット
- 利害関係の中立性
- 特定スキルの活用
- 柔軟な対応
デメリット
- 信頼関係の構築必要
- 責任関係の不明確
- 守秘義務の不安
よくあるトラブルと対策
トラブル事例1:権限の範囲不明確
事例:「一切の件」との記載で代理人が予想外の権限行使 対策:具体的な権限列挙と制限事項の明記 予防:委任前の詳細な打ち合わせ実施
トラブル事例2:代理人の本人確認不備
事例:偽造身分証による不正な代理行為 対策:複数の本人確認方法の併用 予防:信頼できる代理人の慎重な選定
トラブル事例3:委任状の有効期限
事例:古い委任状での手続きが拒否される 対策:有効期限の設定と定期的な更新 予防:手続き予定に合わせた適切な作成時期
トラブル事例4:利益相反の発生
事例:代理人が自己の利益を優先した行為 対策:利益相反の監視と早期発見 予防:代理人選定時の利害関係確認
トラブル事例5:委任状の偽造・変造
事例:委任状が偽造され不正利用される 対策:印鑑証明書の添付と照合確認 予防:委任状の適切な管理と保管
費用・期間の考慮事項
作成費用
自作の場合
- 用紙・印刷代:実費のみ
- 印鑑証明書:300円程度
専門家依頼の場合
- 行政書士:3,000円~10,000円
- 弁護士:10,000円~30,000円
- 司法書士:5,000円~15,000円
手続き期間
準備期間
- 委任状作成:1~3日
- 代理人選定・打合せ:1週間程度
有効期間
- 一般的:3ヶ月~1年
- 手続き別:要件により異なる
- 更新・延長:必要に応じて
まとめ:効果的な委任状活用のために
委任状は、現代社会における重要な法的ツールです。適切な作成と運用により、効率的で安全な代理関係を構築できます。
成功のための10のポイント
- 法的要件の完全な理解と遵守
- 委任事項の明確かつ具体的な記載
- 信頼できる代理人の慎重な選定
- 権限範囲の適切な制限設定
- 本人確認手続きの厳格な実施
- 定期的な状況確認と報告体制
- 緊急時の委任撤回手続き準備
- 個人情報保護への十分な配慮
- 関連法令・規則の事前確認
- 専門家への相談・確認の積極活用
重要な注意事項
- 委任状は法的に重い責任を伴う文書
- 代理人の行為は原則として委任者に帰属
- 不明な点は必ず専門家に事前相談
テンプレート書式なので必要に応じて文章を変更してご利用ください。ファイル形式はWord(ワード)です。
下記から選んでダウンロードしてご利用してください。
- 委任状01
- 委任状02
- 委任状03
- 委任状04
- 委任状05
- 委任状06